昨年、越前市の武生タンス町にオープンした箪笥カフェN'sさん。
ここのロゴマークなどをデザインさせて頂いたのですが、そのカフェの看板が、「
ふるさと福井景観広告賞」を受賞しました。
箪笥カフェN'sさんは、もともと武生のタンス町どおりにあるタンス屋さんがはじめられたカフェ。
武生はもともと結婚式がゴージャスで、お嫁に行く時はタンスを何本も持って行くのが普通だったとか。トラックの荷台がガラス張りになっていて、そこにずらっとお嫁入り道具をつんで行くってのがステイタスだった時代もありました。
このもとのタンス屋さんの2階に以前おじゃましたことがあるのですが、古いタンスのお宝がたくさん!この貴重で伝統的な武生のタンスを、もっとひろく知ってもらいたいと言われていて。
それが見事実現したというわけです。
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武生のタンスは、金具にハートのマークが入っているのが特徴らしい。
それをいかし、さらにぱっと見てすぐタンス屋さんとわかるようなデザインを考えました。
(↓これはショップカードのデザインです)
カフェの建物は、もともとあった古い蔵を改装してあり、格子が美しいの。
それにあう看板をと考えた時に、このマークのように、木地に実際の金具をつけて看板を作るというのはどうか?と、オーナーさんと話しているうちに思いつき、
実際に、ロゴの雰囲気のとおりに、金物で作っていただくことが出来ました!
すごくきれいに仕上がりました。この技術素晴らしいですね…。
でも、この金具を作る職人さんは、実はもうひとりしかいらっしゃらないらしいです。残念。本当に技術も必要で、手間のかかるものらしいので、なかなか後継者が育たないとか。ひとつもとても高価になってしまいますしね。。難しいです。
ふるさと福井景観広告賞では、この看板が
「控えめでさりげないが、粋で個性的なデザインを持つ看板である。街並に和みやシンボル性を感じさせ存在を確かにしており、広告物としての機能を十分有している。建物と調和した格子との組み合わせは、商店街の景観に程よいアクセントを与えている。」
と評されました。
建物からみると、看板はとても小さいものだけど、タンス町の街並にあったいいものができたなあと思っています。ありがとうございました!
(受賞作品に付いては
こちらに詳しいです。※PDFが開きます)
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実は私は、高校生ぐらいの時から都市景観について興味があり、卒制にもそれをテーマに選んだほど。今でも国道沿いの看板乱立を見るとためいきがでます…(車社会ではしょうがないことなのですが…)。
が、こういった小さい街並からでも、景観に合う看板というものがいかに気持ちよいかを伝えることが出来たなら、素直に嬉しい!ありがとうございます!
福井県にも屋外看板制作のガイドラインがあるので、制作に少しでも関わっている方はぜひ目を通してみてくださいね〜。
◆福井県屋外広告物作ガイドライン【概要版】【詳細版】 ※PDFが開きます
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そんな箪笥カフェN'sさんですが、店内はこじんまりしててこんな感じ。
古いタンスや金具も飾ってあって、うんちくも聞けるかも?昨年公開された映画「
Flowers」でも、ここの古いタンスが使われたそうですよ。
(↓ショップカードの裏面です)
このあたりは道も狭く、お寺も多く、古い街並が残っているので、ぜひ歩いて散歩してみてください。箪笥カフェN'sさんはちょっと寄道するのにぴったりなので、ぜひ看板共々見てきてくださいね〜。